・5年生になって算数でつまずくことが多くなった
・学習内容が難しくて(忘れちゃって)アドバイスできない
・このまま6年生にあがったらヤバいかも・・・
5年生の学習内容が一番多いです。
そして内容も難しい!!
5年生くらいになると,学習内容も高度になり,
分数や小数,割合など
子どもがつまずきやすいものが多くあります。
「宿題教えて~」と聞かれても,
教えるのに悩むようになってきます。
大人のメンツをたもつために,
「自分で調べなさい」とごまかすことも・・・。
この記事では,子どもがつまずきやすいところについて
簡単に解説させていただき,
おすすめの学習方法を紹介します。
☆合わせて読んで欲しい☆
これだけはおさえたい1年生の算数~たし算・ひき算の指導~ 小学校2年生算数への疑問~かけ算の式・dl・ものさし~ 小学校3年生の算数~ポイントはわり算の意味・分数の初歩・かけ算の筆算など~ 小学校4年生の算数~ポイントはわり算の筆算・概数・面積~ 6年生算数は総まとめ~中学校へのつながりを意識する~
☆この記事でわかること☆
✔つまずきやすい学習内容 ✔なぜつまずきやすいか ✔どのように教えればいいか ✔おすすめの学習方法
合同な図形では,合同条件が覚えられない!
三角形の合同条件は中学校でも出てきますね。
この学習でのつまずきの多くは,
①上手に作図ができない
②合同条件を覚えることができない
ということです。
上手に作図ができないのは,
単純に角度や長さを読み違え,
いびつな図形を描いてしまうことが多いです。
合同条件については,小学校では以下のように習います。
・3つの辺が等しい ・1つの辺とその両端の角が等しい ・2つの辺とその間の角が等しい
合同条件をなかなか覚えることができない理由として,
小学校では,合同な三角形を作図する問題は,
多くの場合,合同条件のいずれかを使ってできるように
あらかじめ必要な情報が記載された図形が提示され,
それをもとに作図します。
だから合同条件を覚えていなくても,
定規・コンパス・分度器を上手に使えれば,
作図に困らない場合が多いです。
もちろん,応用問題で「必要な長さや角度を測って合同な図形を描きましょう」みたいな問題も出されますが,そのような場合でも,とりあえず辺の長さと角度を全部測ってしまえば,作図できるので,合同条件はいらないです。
しかし,ここで合同条件をしっかりおさえ,
作図がしっかりできると,
6年生の「拡大図と縮図」
中学校の学習に役立ちます。
☆おすすめの学習方法☆(作図) 作図に関しては,トレーシングペーパーに作図させることをおすすめしたいです。なぜかというと,子どもは作図直後、自分の間違えに気づきません。家庭学習で取り組んだとなれば,間違いに気づかずそのままというパターンが多いです。 トレーシングペーパーに作図させると,すぐに問題の図形と重ねて答え合わせができます。
☆おすすめの学習方法☆(合同条件) 合同条件に関しては,何も情報が記載されていない三角形を与え,必要な長さや角度を測って作図する学習を何度も取り組ませるといいです。 ここで大切なことは,「3つまでしか測ってはいけない」という条件を付けて取り組ませることです。そうすると,合同条件を言えなくても,感覚的に覚えることができます。5年生段階はこれで充分です。
言葉だけ覚えても何の意味もありません。
まずは,作図を通して,感覚を身につけることが重要です。
分数のたし算・ひき算~通分,約分でつまずきます~
分母はそのままで,分子だけ足したり引いたりする・・・
これは簡単なんです。
ここの学習内容でつまずく原因は以下の通りです。
・通分の仕方がわからない ・そもそも公倍数がわからない ・どんな数で約分できるかわからない ・そもそも公約数が苦手
計算の理屈はわかるんです。
異分母同士だと足したり引いたりできないから
分母をそろえるんだよね。
でも通分ができないよ~
だからわからないし嫌い
通分はクリアして計算できるようになった
でも答えを×にされた
約分しなきゃ不正解だって!
何でだよ~~
と困っている子はよく目にします。
そんなとき,私ならこう教えます。
通分は,分母同士をかけなさい。 その答えが共通の分母になるよ。 あとは,それぞれ何倍になっているか調べて分子を倍にすればいいよ。 約分は,2,3,5,7,11,13でわれるかどうか調べなさい。 そうすれば,だいたいの分数については,約分のし忘れがなくなるよ。
このように教えると,算数が苦手な子でも
大概できるようになります。
通分で分母同士をかける方法は,問題によっては,
得策でない場合があります。
例えば,分母が(6と12)の場合,
本来であれば分母を6と12の最小公倍数である
12にそろえればいいですが,
上記の方法で行うと6×12で
分母を72にしなければなりません。
でもいいんです。答えが出るから!
約分についても13以上の素数の倍数が出たら
おわりです。
でも,ほとんどでないです。
少し強引な方法かもしれませんが、苦手な子に少しでも「できた」という達成感をもてるようにしたほうが,その後の学習につながります。
割合の求め方が難しい!割合・百分率・歩合の区別
5年生の学習の中では一番難しいと思います。
この学習でまずつまずくのが,割合の求め方です。
比較量÷基準量=割合
と習うのですが,これがなかなか理解できない。
「何が基準量?どれが比較量?」
となってしまいます。
具体的な問題で考えると・・・
たけしさんのクラスは男女合わせて35人います。そのうち男子は21人です。男子はクラス全体の何%でしょうか。
この場合,基準量はクラス全体の人数である35です。
全体に対する男子の割合を知りたいのだから
比較量は男子の人数である21です。
よってこの問題の式は,
21÷35×100(%なので×10です)
となります。つまり・・・
基にする量=基準量
(基準量に対して)比べられる量=比較量
この問題は「男子は全体の何%?」」と聞かれています。
問題の問われ方は違っても,たいていの問題は「~は~の何%?」に置き換えることができます。
~は→比較量 ~の→基準量
と覚えてしまえば大丈夫です。
☆おすすめの学習方法☆ 問題を工夫すべし!! 【打率を比べる】 いろんな問題を解いて,基準量と比較量を整理することが大切ですが,教科書の問題ばかりだと苦手な子の学習意欲はたかまりません。 おすすめは野球の打率です。野球を知らない子でも,大谷翔平とイチローならしってます。ある年の打数と安打数を提示し,「どちらがよく打ったといえるでしょう」みたいな問題をだせば,みんな真剣にときます。ちなみに計算は難しいので使いたい子には電卓を使わせます。目的は計算ではなく,基準量と比較量の整理なのでいいんです。このように問題の工夫でいろいろ解かせると次第に身につきます。 他にも【どっちの福引きがあたりやすい?】みたいなのもやってみたこともあります。食いつきはよかったです。
割合の学習は,その後の円グラフ・帯グラフ,比,分数のかけ算・わり算にもつながるのでしっかりと身につけたいです。
まとめ~5年生算数の学習内容について
繰り返しになりますが,5年生の学習内容は
多くて難しいです。
その中でも特につまずきやすいのが,
合同な図形・通分約分・割合です。
学校での学習だけでなく
家でも繰り返し学習して身につけたいです。
最後に5年生の学習内容をざっと紹介します。
・整数と小数(これは問題なし) ・2つの量の変わり方(比例・反比例の準備) ・小数のかけ算(計算ミス注意) ・小数のわり算(計算ミス要注意) ・整数の見方(偶数・奇数など) ・平均(平均点の意味がやっとわかる) ・単位量あたりの大きさ(1あたり量) ・わり算と分数(わり算の式=分数) ・割合とグラフ(円グラフ帯グラフ) ・正多角形と円(内角の和など) ・角柱と円柱(体積は6年)
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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